銀行で投資信託を販売している方は、今どんな商品をお客さんに勧めているでしょうか。
お客さんの投資の知識、経験、投資の目的等を考慮して、、、というのは形式的な話で、売りやすい商品や手数料をとれる商品を提案している(提案してきた)のではないでしょうか。
以前は投資信託の回転売買が大きな問題になっておらず、同じお客さんで何度も投資信託を売り買いしてもらい、手数料を稼いだ時代もあると思いますが、今では「フィデューシャリー・デューティー(受託者の忠実義務)」がキーワードとなっており、
2017年3月に公表された金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」でもフィデューシャリー・デューティーに触れられており、今日では、各々の金融機関において、その取組方針が定められるようになっています。
ここでは、メガバンク、大手地銀の投資信託の売れ筋商品ランキング(2023年2月22日掲載時点の販売額、販売件数)を紹介していきます。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行の売れ筋商品をみると、バランス型から国内海外株式、債券等、幅広い商品がランクインしています。運用会社としては、三菱UFJ国際投信の商品が多くランクインしていることがわかります。やはり、同じ三菱UFJフィナンシャルグループの商品を積極的に販売しているのでしょうか。
ただし、2位の「eMAXIS 日経225インデックス」、5位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、7位の「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」については、三菱系の三菱UFJ国際投信の商品ですが、インターネット専用ですが、購入時手数料無料での販売となっており、顧客にとってのメリットも大きいです。
三井住友銀行
三井住友銀行においても、売れ筋商品上位には三井住友フィナンシャルグループ系の運用会社である三井住友DSアセットマネジメントの商品が多い。
ファンドの種類においては、上位3位まで株式系が独占しているのが気になるが、10位までをみるとバランス型、債券型もランクインしており、幅広く販売していることがわかる。
三井住友銀行においても、購入時手数料無料商品が多く、顧客にとってのメリットも大きいです。
みずほ銀行
みずほ銀行においても、売れ筋商品上位にはみずほフィナンシャルグループ系の運用会社であるアセットマネジメントOneの商品が多い。ランキング3位から7位まで海外株式型のファンドがランクインしており、他の銀行と比較してややリスクの高い商品がランクインしていることがわかる。
また、海外株式型でもインデックス系のファンドのみならず、ESGをテーマとしたアクティブファンドが上位にランクインしており、他の銀行ではみられないものであった。
りそな銀行
りそな銀行の売れ筋商品は、他の銀行と同様に国内、海外株式からバランス、リートまで幅広くランクインしている。
また、りそなホールディングス系のりそなアセットマネジメントの商品が多くランクインしているものの、上位4位までは他の国内、海外大手金融機関の運用会社の商品となっている。
横浜銀行
横浜銀行のホームページには、販売額ではなく販売件数のランキングが5位まで掲載されていたため、紹介していく。運用会社については、自社グループの商品はランクインしておらず、国内、海外金融大手の商品を販売している。
千葉銀行
千葉銀行のホームページにも、販売額ではなく販売件数のランキングが5位まで掲載されていたため、紹介していく。3位の「分散名人」というバランス型ファンドは、千葉銀行系のちばぎんアセットマネジメントが委託会社となっており、地方銀行グループでも同じ系列のファンドがランキング上位となっていることがわかる。
まとめ
各銀行において、上位ランクインする商品は異なり、共通して売れ筋商品はないことがわかる。売れ筋商品は、銀行グループの商品であることが多く、自社グループの商品を積極的に販売していることが推測される。
ただし各銀行で商品は幅広く販売しており、また購入時手数料無料タイプの商品も多いなど、顧客へのメリットもみられる。
引き続き各銀行の投資信託販売ランキングについて、ウォッチしていきます。
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