各銀行が販売している投資信託のランキングを紹介したが、今回は純資産総額(残高)、直近1か月の資金流出、資金流入の大きいファンドのランキングをみていく。ランキングは日本経済新聞社のHP(投信ランキング :投資信託 :マーケット :日経電子版 (nikkei.com))から作成している。
純資産総額(残高)ランキング
ランキング1位は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株S&P500」である。このファンドは、三菱UFJ銀行の投資信託販売ランキングで5位になっている商品である。
トップ10をみると、ファンド種類は7件が先進国株式で、投資先は北米向け(米国)となっている。海外REITについても投資先は米国向け、グローバル株式についても裏付け資産の構成比の多くは北米向けとなっており、投資信託の残高の多くが米国向けであることがわかる。
世界の株式市場における米国の株式時価総額の割合は50%超世界株、強まる米国1強 時価総額シェア17年ぶり高水準 – 日本経済新聞 (nikkei.com)であることから、米国向けの投資信託が多くなることは自然である。
資金流入ファンドランキング
次に1か月以内に資金流入が大きいファンドのランキングをみていく。ランキング1位は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株S&P500」であり、純資産残高ランキングでも1位となっている。また、このファンドは、三菱UFJ銀行の投資信託販売ランキングで5位になっている商品であり、大手銀行でも売れ筋商品となっている。
2位~5位、7位についても株式系のファンド(先進国、グローバル株式)となっており、株式系のファンドに資金が流入していることがわかる。
また、9,10位については海外REIT(米国向け)であり、米国不動産向けの商品についても人気であることがわかる。
また、6位の「みずほG・T利回り債券F23-01(限追)」については、2023年1月に設定されている世界の債券へ投資するファンドであり、新商品である。8位の「債券パワード・インカムファンド(資産成長型)」については、機関投資家向けの商品であり、銀行や証券会社等の機関投資家が1か月で投資したのであろう。米国の金利を中心に海外の金利の上昇が落ち着くとの見通しから資金が流入したものと推測できる。
資金流出ファンドランキング
次に1か月以内に資金流出が大きいファンドのランキングをみていく。流出の1位は「楽天日本株4.3倍ブル」であり、運用会社が楽天で、国内の株価指数を対象とした先物取引を積極的に活用することで、日々の基準価額の値動きが国内の株式市場の値動きに対して概ね4.3倍程度となることを目指して運用を行うファンドである。
4位にはSBIが運用会社である同様の商品がランクインしており、日経平均株価が直近では大きく上昇するとみている投資家が減っていると推測できる。
同様に2位、10位についても市況の値動きに対して数倍の動きを目指すブル商品ではないものの、日経平均株価に連動する商品についても資金の流出がみられる。
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