2025年5月、六本木の高級ホテルで「とんでもない現場」が押さえられた。
覚醒剤、コカイン、そして隣には女子大生――。逮捕されたのは、ただの成金ではなかった。
彼の名は田中剛(60)。
バブル後の不動産業界を知る者なら誰もが一度は耳にしたはずの、レーサム創業者であり、かつての“資産再生のカリスマ”である。
だが今やその姿は、“高級ホテルの一室で女子大生とクスリ遊び”という見出しの下にある。
栄光と転落――そのコントラストは、あまりにも激しい。
■ 田中剛という男:「資産再生」から「崩壊」へ
田中氏がレーサムを設立したのは1992年、わずか26歳のとき。
リーマン前後の低迷した不動産市場で、築古ビルを買い叩き、バリューアップして売却するスタイルで急成長。
2001年にはJASDAQ上場を果たし、都心中古ビル再生のパイオニアとして名を轟かせた。
一時は時価総額800億円超、ROE30%超という驚異の成績を出した年もあった。
「市場を読める天才」「不動産界のホリエモン」と呼ばれた時期もある。
だがその後、ヒューリックによる買収劇(2023~2024年)を経て、創業者としての求心力は急低下。
レーサムを去った田中氏は、表舞台からも遠ざかっていく──。
■ レーサムという会社:元カリスマの不在でも業績は健在
一方で、レーサムは田中氏不在でも冷静だった。
ヒューリックの傘下に入った2024年度は以下のような好業績を記録している。
- 売上高:942億円
- 営業利益:228億円
- 純利益:115億円
- 自己資本比率:およそ40%
- 物件取得実績:都心のオフィス・レジ・ホテル中心に年間100件以上
主力は中古ビル再生と、地方の宿泊施設再構築。
「バリューアップ後の出口戦略」が的確で、今や“ヒューリック第2の収益柱”とまで言われている。
皮肉にも、創業者の転落と反比例するように、会社は着実に再成長しているのだ。
■ 港区の“高額案件パパ”の末路
そんな中、田中氏は何をしていたのか。
答えは簡単だ。夜の港区で豪遊していた。
SNS上では「高額案件を持ちかけてくる港区おじさん」として知られ、女子大生やモデルを囲い込んでいたという証言も多数ある。
今回の逮捕に至ったのは、某大学の21歳女子大生による告発が発端だったとされている。
ホテルでの乱痴気騒ぎのなか、覚醒剤とコカインが押収され、同席者2名も逮捕。
“堅物経営者”というより、“夜の遊戯王”だったのである。
■ 栄光は地に堕ちたが──教訓だけは残った
田中氏の逮捕は、あまりにも象徴的だ。
「企業は人にあらず」「ブランドは人を選ばず」という教訓を我々に突きつけている。
レーサムは今も堅実に物件を積み上げ、事業を拡大している。
一方、創業者は“薬物と女子大生”に手を染め、報道の見出しを飾ってしまった。
■もし彼が今も社長だったら?
■この事件が上場維持中に起きていたら?
──そんな“たられば”を語るまでもなく、栄光と転落の差は明白だ。
最後に:資産は築けても、人格は築けなかった
資産再生の天才が、自らを再生できなかった。
それが田中剛という男の、哀しい結末である。
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