◆ 値上げから半年で「値下げ」、その裏で泣くのは誰か
2025年3月、すき家は並盛を480円に値上げしました。原材料や光熱費、人件費の高騰を理由に掲げていました。
ところが半年後の9月、今度は450円に値下げ。見た目には「消費者に優しい英断」のように映るでしょう。
しかし実態はどうでしょうか。物価高が続く中で価格を下げれば、どこかにその“しわ寄せ”が必ず出ます。その犠牲になるのは、現場で働く従業員です。
◆ ブラック企業として悪名高いゼンショー
すき家を運営するゼンショーホールディングスは、過去からブラック企業体質が指摘されてきました。
- ワンオペ深夜営業の過酷労働
- 長時間労働による離職率の高さ
- 人手不足を補うための外国人依存
「値下げ」という見栄えの良い話題の裏で、こうした労務問題が放置されているのは明らかです。利益を削ってでも値下げに走るのなら、その前に従業員還元に回せというのが筋ではないでしょうか。
◆ 物価高に逆行する“安売り競争”は有害無益
電気代も物流費も上昇、米も牛肉も高止まり。それなのに牛丼を値下げするというのは、合理的な経営判断とは言えません。
これはただのマーケティング用パフォーマンスであり、長期的には業界全体の疲弊を招きます。
消費者の財布に一時的に優しいかもしれません。しかしその裏で、サービスの質低下・従業員の疲弊・未来への投資不足が進行するのです。
◆ 本当にやるべきは「安売り」ではなく「待遇改善」
ゼンショーがやるべきは明確です。
- 牛丼を30円安くするのではなく、時給を30円上げろ。
- 「客に優しい」ではなく「従業員に優しい」企業になれ。
- 価格競争ではなく、働きやすさ競争を始めろ。
牛丼一杯の値段は、単なる数字ではなく社会の鏡です。いまの値下げは、結局「ブラック企業の論理」にすぎません。
◆ 結論:値下げは欺瞞、従業員還元こそ正義
物価高の時代に値下げを打ち出すのは、企業イメージづくりのための偽善的パフォーマンスです。その陰で犠牲になっているのは現場で汗を流す労働者。
すき家を運営するゼンショーが本当に社会に貢献したいなら、やるべきは「消費者への一時的な値下げ」ではなく「従業員への永続的な還元」。
ブラック企業体質を改めない限り、どれだけ安く牛丼を売ろうとも、その味は苦くしか感じられません。
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