1. 2024年度第3四半期の業績概要
2024年4月から12月までの連結決算において、営業収益は前年同期比で45億円増加し、1,150億円となりました。この増収は、国内外の観光客増加により、千歳線や北海道新幹線の利用が伸びたことが主な要因です。特に鉄道運輸収入は、前年同期比8.3%増の564億円となり、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年同期(557億円)を上回りました。 JR北海道北海道新聞+1JR北海道+1
一方、営業費用は物価高騰や仕入原価の増加により、37億円増加し1,460億円となりました。その結果、営業損益は310億円の赤字となりましたが、前年同期より8億円の赤字幅縮小となっています。JR北海道+1JR北海道+1JR北海道+2北海道新聞+2JR北海道+2
2. 中期経営計画2026の策定と目標
JR北海道は、2024年度から2026年度までの3年間を対象とした「中期経営計画2026」を策定し、以下の目標を掲げています。 JR北海道
- JR北海道単体での黒字化:環境変化に適切に対応し、単体での黒字化を目指します。JR北海道+1JR北海道+1
- 財務基盤の立て直し:収益力の向上とコスト削減を通じて、財務基盤の強化を図ります。
- 新たな経営課題の解決:人材の確保やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、カーボンニュートラルへの対応など、新たな課題に取り組みます。JR北海道+2JR北海道+2JR北海道+2
特に、人材の確保については、多様な採用活動による人員確保と自己都合退職者数の抑制に重点を置いています。 JR北海道+1JR北海道+1
3. 経営改善に向けた具体的な取り組み
中期経営計画2026の目標達成に向け、以下の具体的な施策を実施しています。JR北海道
- 生産性の向上と省力化:DXの推進により業務効率を高め、コスト削減を図ります。
- カーボンニュートラルの推進:環境負荷の低減に向けた取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献します。
これらの施策を通じて、経営基盤の強化と持続的な成長を目指しています。
4. 北海道新幹線札幌延伸計画の進捗
北海道新幹線の新函館北斗・札幌間の延伸について、2024年5月29日に開催された関係者会議において、2030年度末の開業が極めて困難であるとの判断が示されました。これにより、開業時期の見直しが必要となり、今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 JR北海道+1JR北海道+1
5. 今後の課題と展望
JR北海道は、観光需要の回復や新幹線延伸計画の進捗など、ポジティブな要素がある一方で、人口減少や人材確保、財務基盤の強化など、多くの課題に直面しています。これらの課題に対し、中期経営計画2026に基づく施策を着実に実行し、持続可能な経営体制の構築を進めていくことが求められます。
また、地域社会との連携を深め、沿線地域の活性化や観光資源の開発など、鉄道事業以外の分野でも収益機会を創出することが重要となります。
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