高輪ゲートウェイに待望の大型商業施設
9月12日、「ニュウマン高輪」がついに開業した。
ルミネ最大規模、約165店舗が入居する巨大商業施設であり、ファッション、グルメ、書店、ポップアップショップまで揃う“東京の新名所”として大きな話題を呼んでいる。SNSでも「オシャレすぎる」「食べ歩きだけで1日潰せる」といった声があふれ、週末には行列ができるほどの盛況ぶりだ。
ただし、浮かれてばかりはいられない。なぜなら、この施設が建つ場所は「高輪ゲートウェイ」。駅自体は開業から数年経つが、周辺はまだ“街”として成熟しておらず、人流が根付いているわけではないのだ。
初日から大混雑、それでも見えた「使いづらさ」
実際に訪れた人の声を拾うと、ベーカリーやランチ店に長蛇の列ができ、外まであふれ出したという。中には「炎天下で並ぶのは地獄」「せっかく来たのに食べられず諦めた」といった声も。
さらに、館内の動線にも問題がある。6階など上層階へのアクセスがわかりづらく、エレベーターやエスカレーターの案内も不親切だとの指摘が相次いでいる。新施設特有の混雑は時間が解決する部分もあるが、導線や案内の不備はリピーターを遠ざける危険がある。
“街”としての集客力に疑問符
最大の課題はやはり「立地」だ。
新宿や渋谷のように自然な人流が集まるわけではなく、高輪ゲートウェイ周辺は再開発の途上。住宅もオフィスも十分に揃っておらず、日常的な需要は乏しい。
つまり今の集客は「物珍しさ」に依存している可能性が高い。SNSで拡散されるのは開業直後ならではの熱気であって、半年後、一年後に同じ熱量が続くかどうかは全く未知数だ。
期待はある、だが成功の道のりは険しい
もちろん、ニュウマン高輪が持つポテンシャルは大きい。
10万冊を誇る書店や、ルミネ初出店の飲食店など、体験型・滞在型の要素を盛り込んでおり、「ただの商業施設」に留まらない意欲は感じられる。駅直結という利便性も強みだ。
しかし、この挑戦が“街の成功”につながるかは別問題だ。
今の高輪ゲートウェイは、人が日常的に集まる拠点になっていない。今後、再開発で住民やオフィスワーカーが増えなければ、ニュウマンは「巨大な箱物」で終わるリスクもある。
まとめ —— ニュウマン高輪の未来は「街の成長」にかかっている
ニュウマン高輪は確かに華々しくスタートを切った。だが、課題は山積みだ。
動線や案内の不便さ、混雑と快適性のトレードオフ、そして何より周辺に十分な人流が存在しないという根本的な問題。
この街がどこまで成長し、どれだけの人を日常的に呼び込めるか。
ニュウマン高輪の真の勝負は、オープン景気が落ち着いた後に始まる。
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