はじめに
中国発の格安ECサイト「Temu」や「Shein」が米国で一部商品を最大2倍に値上げしました。背景には、米国政府による対中関税の強化と、これまで適用されてきた関税免除(de minimis)制度の廃止があります。これにより、彼らのビジネスモデルを支えてきた「航空物流」にも大きな影響が及び始めています。本記事では、関税の影響、航空物流業界への波及、EC企業の対応策を整理して解説します。
1. Temu・Shein価格引き上げの背景
- 2025年4月、TemuとSheinが米国向け商品の一部を最大2倍に値上げ。
- 米国政府が中国製品への最大145%の関税導入を決定。
- さらに、これまで適用されていたde minimis制度(800ドル以下免税)も廃止。
- これまで低価格で爆発的な拡大を続けたビジネスモデルに大打撃。
2. 航空物流に走る衝撃波
- TemuやSheinは、超短納期のため**航空輸送(エアカーゴ)**に依存。
- 米国向け航空貨物需要は急減し、ロサンゼルス港の中国貨物は35%減少予想。
- 航空貨物の予約は約30%減少、運賃は逆に高止まり。
- Shein、Temuは海上+航空の複合ルート(台湾、日本、韓国経由)も開拓し始めた。
(参考:Financial Times、Dimerco)
3. EC企業の苦悩とサバイバル戦略
- 米国内倉庫整備(事前在庫確保)で関税回避を試みる。
- 生産拠点をベトナム・トルコなどに分散してリスクヘッジ。
- しかし、コスト増により最終消費者負担は不可避。
- 中小EC企業にとっては「死活問題」に。
(参考:Marketwatch)
まとめ(結論)
TemuやSheinに象徴される中国発の激安ECモデルは、米国の関税強化により岐路に立たされています。これまでのビジネスモデルの基盤だった航空物流も転換を迫られており、世界のEC物流地図は大きく塗り替わる可能性があります。「早く、安く」から「柔軟に、分散して」へ。2025年は、航空・EC業界の新たな時代の幕開けとなるかもしれません。
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