ネット銀行は脅威?驚きの伸び

ネット銀行、フィンテック

メガバンクや地方銀行で働く銀行員にとって、ネット銀行というとどういうイメージでしょうか。個人としてネット銀行を利用している、というケースや自社でもネットバンクサービスを展開しているよ、考えたことでしょう。

最近では各社でネットバンクサービスを展開し、取扱商品やサービス、スマートフォンのアプリも利用しやすくなってきておりますが、4,5年前だと例えば住所変更ができないとか、振り込みに別の機器でパスワードを生成する必要があるため、スマホで振込ができないなど、かなり不便でした。最初にネット銀行を使用した際の便利さ、また住宅ローン金利が低いなど、驚きを感じました。

ここでは、基本的に店舗を持たないインターネット専業の銀行をネット銀行として、ネット銀行の動向をみていきます。

ネット銀行の預金、貸出金額

表のとおり、楽天のようなインターネット企業、イオンやセブンイレブンのような流通、小売り企業、住信SBIネット銀行のような大手銀行とインターネット企業の融合銀行等、様々なネット銀行で残高が多くなっております。楽天銀行(前身のイーバンク銀行)は2001年に創業しておりますから、20年程度で7兆円の預金を集めたというのは驚異的な数字でしょう。

一時期、完全デジタルバンクとして話題になったみんなの銀行は、他のネット銀行と預金残高や貸出残高で比較すると、まだ小さな規模の企業であることがわかります。

他銀行との比較

では、先ほどはネット銀行の預金残高、貸出残高をみましたが、それはどの程度の規模なのか、他の業態と比べてみたいと思います。

ネット銀行の預金残高合計で315,192億円でしたが、地方銀行合計で3,172,347億円、第二地方銀行合計で670,407億円となっており、地方銀行全体の10分の1程度、第二地方銀行全体の2分の1程度の水準でしょう。規模はまだまだですが、地方銀行や第二地方銀行は歴史も長く、地方銀行は62行、第二地方銀行は38行あることを考えれば、ネット銀行の規模の大きさがわかるでしょう。

ネット銀行の取引推移

ネット銀行について、興味深い記事を見つけたのでリンクを載せておきます。

下記の記事のとおり、ネット銀行をメインバンクとして利用する企業が増えているということです。あくまでもネット銀行は個人向けというイメージでしたが、少しずつ変わってきております。

「ネット銀行をメインバンクにする企業が増えている。ネット銀行がメインバンクの企業は2013年では665社に過ぎなかったが、2022年には3,446社と10年間で5倍に増えた。これまでは創業時に地元の金融機関に口座を開設するのが定石だった。だが、経済合理性に徹し、企業価値を高めると資金調達の道は広がる。金融機関に期待する時代ではないと考える経営者が増えてきても不思議ではない。これまでの常識は通用しなくなった。人口減少やマイナス金利など金融機関を取り巻く環境は厳しいが、新興のネット銀行の台頭でサービス競争は激しさを増している。」とのことです。

「ネット銀行がメインバンク」が10年で5倍 : 東京商工リサーチ (tsr-net.co.jp)

ネット銀行の戦略、サービス

楽天銀行の決算資料をみると、楽天銀行の貸出金は住宅ローン、投資用マンションローン、提携ローン等の残高が増加しており、特に投資用マンションローンで大きく残高が増加しておりました。

situation-220513-2.pdf (rakuten-bank.co.jp)

不動産担保ローン|楽天銀行 (rakuten-bank.co.jp)

まとめ

以上のように、ネット銀行はメガバンクや地方銀行と比べるとまだまだ規模は小さいものの、伸び率は驚異的であることがわかりました。

一方、転職サービスに登録した際に、銀行員が成長しているネット銀行を転職先として進められることもあります。少し文化の違うネット銀行で働くのもいいでしょう。

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